報告者:有坂 憲行(arismusen.com)
訪問日:2026年6月20日
本ページでは、NICT 公開イベントに参加した際の技術的な所見と、研究者との対話内容を整理する。 特に、海中通信・AI展示・右脳的思考と日本語 LLM の関係について、HDL 技術者としての視点からまとめる。
過去に NTT の海中音響通信プロジェクトにおいて、FPGA 実装担当として携わった経験がある。 その際、音響通信特有のドップラー、マルチパス、伝搬遅延など、実装レベルでの課題に直面した。
NICT の kHz 帯電波による海中通信実験に関して、これらの経験を踏まえ、 「ドップラー補償やチャネル特性の扱いにおいて、音響通信の知見が何らかの形で役立つ可能性がある」 という観点から、研究者に対してマシンガントーク気味に情報提供を行った。
研究者は真剣に耳を傾けていたが、守秘義務やプロジェクトの性質上、明確なリアクションはなかった。 名刺交換も行っておらず、あくまで「実装者としての懸念と示唆」を口頭で共有したに留まる。
会場には AI 関連の展示もあり、一人の脳を MRI で計測し、そのデータを用いてモデル化し、 何らかの比較・解析を行うという内容であったと理解している。
これに対し、HDL 技術者としての設計手法(論理合成・階層設計・タイミング制約・検証プロセスなど)を前提に、 現在の AI(特に統計的・確率的なモデル)には、以下のような構造的な欠陥があると説明した:
展示担当の研究者が元P社出身であることまで聞き出したが、 その場では深い議論というより、「立場の異なる設計者同士の視点共有」に近い形となった。
現状の AI モデルの限界を踏まえつつ、私自身の右脳的思考(ひらめき・パターン認識・直感的構造把握)と、 日本語 LLM の出力を組み合わせることが、当面の「現実的な最適解」であると考えている。
具体的には:
この「人間の右脳的編集 → LLM へのフィードバック → 再出力」というループを回すことで、 現在の AI の構造的欠陥を完全には解消できないものの、 実務レベルでは十分に使える精度と一貫性を引き出せると考えている。
NICT 公開イベントでは、海中通信・テラヘルツ・AI など、国家レベルの研究テーマに触れることができた。 一方で、実装者としての経験や HDL 設計者としての視点から見ると、 「我々のような規模の会社が現実的に取り組むべき領域」と「国家プロジェクトとしての研究領域」との 距離感も改めて確認することになった。
AI に関しては、現状のモデル構造に限界を感じつつも、 日本語 LLM と右脳的思考を組み合わせた「編集とフィードバック」のループこそが、 当面の実務的な最適解であるという仮説を、今回の展示と対話を通じて再確認した。